女性器のしくみ
女性のカラダには妊娠し、出産するための機能「女性器」があります。
みなさんは女性器のしくみをどの程度理解していますか?
このページでは女性器の基礎知識を解説します。
女性器はカラダのどこにある?
女性のみなさんはご自分の女性器がカラダのどのあたりにあるのかご存知でしょうか?
女性器を正しく理解することで生理におけるカラダやココロの変化を理解することができます。
まずは下記の図をご覧ください。
これは小中学校で習う女性器の図ですので見たことのある方も多いと思います。
この図はカラダの正面から見た図だと思いませんでしたか?
ところが正確には違います。
じつはこの図は「女性器を真上から見た図」なのです。
女性器の機能を解説するためにこの図が使われることが多いですが、実際には以下の図のようになっています。
女性器は骨盤(腰まわりの骨)の中央に位置し、その裏にはウンチを溜め込む「直腸」があり、下にはおしっこを溜め込む「膀胱」があります。
そのため、妊娠して赤ちゃんを包む子宮が大きくなると圧迫されて
頻尿や便秘になったりします。
いかがでしょうか?あなたのカラダのどのあたりに女性器があるかイメージがつきましたか?
それではこれから女性器のそれぞれの仕組みについて解説していきます。
ふたつの女性器
女性器は大きく二つに分かれています。
「外性器」
膣やヴァギナとも呼ばれていて、性行為で男性器のペニスが挿入される部分であり、出産時には産道にもなります。
「内性器」
子宮や卵巣・卵管があり、卵子の保管や精子との受精、さらに妊娠して赤ちゃんを育てる部分があります。
外性器
外から見える部分(外陰部)から膣までを含めて外性器と呼ばれます。
膣は直径2〜3cm、全長で8cm〜10cmほどの管状になっています。
内性器 その①「子宮」
子宮は胎児を育てる部屋になる部分です。
洋梨の様な形をしており、大きさは全長が約7cmほどでニワトリの卵Lサイズくらいです。
非常に伸縮性のある1cm以上も厚みのある筋肉でできており、大きくなっていく胎児を包み込みます。
さらにこの子宮の内側をラップのように覆っているのが「子宮内膜」です。
子宮内膜は妊娠の準備をする部分で受精卵を子宮にお迎えするためのベッドといえます。
この子宮内膜は2重構造になっていて、子宮を包む1枚目が「基底層」、2枚目が「機能層」と呼びます。
基底層は生理が来ても変化しませんが、機能層は月経血として排出されます。
月経(生理)で出てくる血は使われなかった子宮内膜だったんですね。
内性器 その②「卵巣」
卵巣は左右に一つずつあり、子宮にぶらさる形でつながっています。
大きさは親指くらいの大きさで、表面はでこぼこしています。
この卵巣の役割は「卵子の倉庫」と「女性ホルモンの分泌」の二つです。
卵巣には卵子がひとつだけ入っている「原始卵胞」という袋があり、卵巣にはその原始卵胞がぎっしりと詰まっています。
原始卵胞は女性が生まれた時点から卵巣にあり、新たに作られることはありません。
新しく作られる男性の精子と違い、女性の卵子は生まれつき数が決まっているのです。
さて、卵巣では毎月何十個もの原始卵胞が競い合って成長しており、そのなかで一番大きく成長した一つの原始卵胞が「主席卵胞」として選ばれます。
メモ
余談ですが、主席卵胞に選ばれなかった原始卵胞(とその中の卵子)はどうなるかというと、
そのまま卵巣内に吸収され、消滅します。
また、主席卵胞が優れた卵子を持っているかというとそれも違います。
卵胞(と中にいる卵子)は競って成長しますが、「質が良い」ということではありません。
たまたま、成長が月経周期のタイミングに合っていた。というだけの理由です。
選ばれた卵胞に入っている卵子はまず
- 卵胞をやぶり出る
- さらに卵巣の壁も突き抜けて
- 子宮内部に続く卵管の先っぽにある「卵管采」に吸い込んでもらう。
こうして卵巣を出た卵子は次のステージ「卵管」へと向かいます。
内性器 その③「卵管」
みなさんは精子と卵子の受精はどこで行われていると思いますか?
着床する子宮だと思うかもしれませんが、意外にも受精は「卵管」で行われます。
卵管采とは卵管の先端部分にある、たくさんの花びらが開いたような形で卵巣の先端を覆っています。
全長約10cm、太さは直径1mm程度、中には髪の毛ほどの太さの細長い管になっている卵管ですが、
単なる子宮への通り道のように見えて、
実ははじめて精子と卵子が出会う重要な場所です。
性交渉によって男性の精子は膣から子宮を通り越し、卵管にて卵子と出会い受精します。
卵胞をつき破り、卵巣を突き抜けて卵管にたどり着いた卵子は卵管でしばらく精子を待つので、まるでデートの待ち合わせをしているようですね。
卵管で出会った精子と卵子はそのまま受精し、成長しながら子宮へと向かい着床します。
これが妊娠という現象です。
「生理の基礎知識」第1回「女性器のしくみ」いかがでしたか?
続く第2回は、「女性の生理周期」です。
月経が来てから終わり、また次の月経が始まるまでにカラダのなかで何が起こっているのか解説していきます。
こちらもCHECK
-
-
生理の基礎知識② 生理周期を理解しよう
生理が来た時から女性のカラダになにが起きているか知っていますか?
この記事では生理のある女性なら毎月やってくる「月経」を解説します。続きを見る